年金というと、老齢年金のことと考える方も多いかと思いますが、遺族年金というものをご存知でしょうか。
遺族年金とは、ある人が亡くなった際に、その人が年金に加入していた場合は一定の遺族に支払われる公的年金のことです。老齢年金と同じように、亡くなった人の加入していた年金制度によって、支給される年金は異なります。
ここでは遺族年金についてご説明いたします。
遺族が受け取ることのできる年金とは
具体的に、亡くなった方が加入していた年金制度ごとで、それぞれ遺族がどのような年金を受け取ることができるのか見ていきましょう。
1.亡くなった方が加入していた年金制度が国民年金の場合
国民年金に加入していた方が亡くなった場合、残された遺族は遺族基礎年金が受け取れます。
遺族基礎年金とは、国民年金に加入中に亡くなった加入者が家計を支え生計をたてていたなど、一定要件を満たす場合の遺族が受け取ることができる年金制度です。
自営業の方など、国民年金第1号被保険者の人で、保険料納付済期間のある人が亡くなった場合、国民年金の独自給付を受給できる可能性があります。
2、亡くなった方が加入していた年金制度が厚生年金の場合
厚生年金に加入していた人が亡くなった場合、亡くなった人により生計を支えられていたなどの要件を満たす遺族は、遺族基礎年金に加え、遺族厚生年金を受けとることができます。遺族基礎年金よりも対象となる遺族の要件の範囲が広く設けられており、遺族の生活保障が手厚い制度であるといえます。
厚生年金は国民年金に上乗せして支給される2段階制度の年金です。
受給条件によっては、遺族基礎年金のみの支給、遺族厚生年金のみの支給、両方支給される場合があります。
3.亡くなった方が加入していた年金制度が共済年金の場合
共済年金に加入していた方が亡くなった場合は、遺族基礎年金と、遺族共済年金が受け取ることができます。ただし、遺族共済年金は平成27年9月30日以前に、共済組合員や退職共済年金の受給者等の方が亡くなった際に支給されていた旧制度の遺族年金です。
現在は遺族共済年金というものはなく、制度が改正され、遺族厚生年金と一元化されています。改正前に権利を得ていた方以外は、遺族厚生年金を受けとることとなります。
そのため、遺族共済年金自体が完全になくなったわけではありませんが、新規に遺族共済年金を受けとるというのは稀なケースとなっています。
新しく受給権を得た場合、多くの方は遺族基礎年金と、遺族厚生年金のどちらかの手続きをすることになるでしょう。
まとめ
亡くなった方の遺族が受け取れる遺族年金について解説いたしました。
手続きはお住まいの市区町村の役所窓口や、年金事務所などで可能です。
受給要件や支給額についてもっと詳しく知りたい方は、年金の専門家である社会保険労務士や相続の専門家の行政書士などに相談することもできます。
ご自身が該当する制度ある場合には、制度についてよく理解し、忘れずに手続きを行いましょう。