家族信託も成年後見も、認知症などの対策としての財産管理の制度です。ただ、成年後見に比べ、家族信託の方がより本人の意向を長期にわたり実現可能な制度になります。
下記では、成年後見と家族信託を比較していますので確認していきましょう。
成年後見
認知症などにより、判断能力が低下している方を法的に保護する制度です。本人を保護するための制度になるので、贈与や財産についての管理や処分については成年後見制度の範囲では不可能です。
これについて問題となるのが、認知症発症後の相続税についてです。相続税の対策としての生前対策や、不動産管理や売買などが行えなくなるため、相続税の課税額についての不安が残る事になります。
家族信託
上記の成年後見との大きな違いは、委託者が認知症等を発症した後も信託契約や効力については継続される点にあります。家族信託が認知症対策をして有効であるといわれるのはこのためです。家族信託は、本人の保護ではなく「本人の意思の実現の保護」が最優先となります。また、裁判所への届け出なども無いため手間がかからない点も特徴にあります。