現在の日本は、高度経済成長や都市化により核家族化が主体となり、超高齢化社会へと着実に向かっています。老人が老人を介護する老々介護、認知症の人が認知症の人を介護する認認介護とよばれるものが当たり前になってきています。
配偶者より自分の方が先に亡くなってしまったら、誰が配偶者の身上監護をしてくれるのか不安を抱える方は多くいらっしゃいます。
家族信託と後見制度の活用
任意後見制度や法定後見制度を利用することにより、一定の財産と権利は守る事が出来ます。しかし、後見制度というのは厳格であり柔軟性がありません。
そこで、自由度高く財産の管理をする事が可能な家族信託を後見制度と併せて活用する事で、自分の死後、配偶者が安心して生活をしていけるよう財産を給付する事が可能になるのです。
家族信託における受託者(財産の管理者)を決めるのは委任者が信託契約により定められますが、受託者と受益者の成年後見人を同一人物がする事は出来ませんので注意が必要です。
配偶者なきあと問題については、自分が亡くなった後のことだけではなく、けがや病気により判断がつかなくなったしまった場合にも同じ事がいえます。いつか、ではなく、そうなるまえに準備をしっかりとして対策を講じておく事が何事にも重要な事になります。