不動産(土地)を生前贈与する際のポイント

生前贈与とは、財産の保有者が存命のうちに次の世代に財産を移転することです。ここでは、不動産を生前贈与する際のポイントについて確認していきましょう。

不動産(土地)を生前贈与するメリット

不動産を生前贈与する際には、メリットもデメリットもあります。

それぞれ確認していきましょう。

不動産(土地)を生前贈与するメリット

不動産を生前贈与する際のメリットは下記の通りです。

①相続時の争いを防ぐことができる

不動産は、金銭と比べて相続の際に分割することが困難です。相続時に分割しにくい不動産などの財産は、生前贈与をしておくことにより相続人の間での争いを避けることができます。

②将来かかるであろう相続税を節税できる

不動産を生前贈与をすると、将来的に相続財産となる財産が減るため、相続税の負担が少なくなり、相続税の節税効果が期待できます。特に、収益物件を生前に贈与しておくと、贈与をした時点から家賃収入が贈与を受けた人の財産になるので、贈与をした人の財産が増えるのを抑止することができ、最終的に、相続財産を大きく減らすことができます。

③多額の財産を生前に贈与することができる

相続時精算課税制度や、贈与税の配偶者控除等の特例を利用することにより、多額の財産を生前に贈与することができます。

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母・祖父母から、20歳以上の子・孫に対する生前贈与について、子・孫の選択により利用することができ、この制度を利用すると贈与を受けた財産の累計2500万円までが非課税になる特例のことをいいます。

贈与税の配偶者控除とは、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用の自宅などの不動産を贈与したり、購入するための資金を贈与したりした場合は、基礎控除額の110万円に加えて2000万円までの贈与税が非課税になる特例のことをいいます。

不動産(土地)を生前贈与するデメリット

続いて、不動産を生前贈与する際のデメリットを確認していきましょう。

①多額の贈与税がかかる場合がある

不動産の場合、評価額が大きく贈与税の基礎控除額を超えるケースが多いため、不動産の価格によっては多額の贈与税がかかる可能性があります。贈与をする相手の関係性や年齢によっては、贈与税が非課税になる特例もあるので、贈与する前に必ず確認しましょう。

②相続税の申告と納税が必要になる場合がある

相続時精算課税制度を利用することにより、生前は贈与税がかからなくても、相続時には相続財産に持ち戻して財産総額を計算することになります。その結果、基礎控除額を超えてしまい、相続税の申告と納税の必要が出てくる場合があります。

③贈与税以外の税金や手数料が発生する

不動産の贈与の際には、贈与税以外にも登録免許税不動産取得税などの税金がかかります。

登録免許税とは、不動産を取得し、所有権を登記する際に課される税金のことをいいます。

不動産取得税とは、不動産の取得者が、不動産の住所地の都道府県に納付する税金のことをいいます。固定資産税評価額を元に税率を乗じて算出した金額が、不動産取得税となります。

他にも、登記に関する書類の取得費用等が別途かかりますので、贈与税以外の出費についても用意する必要があります

また、上記の費用については贈与を受けた側が負担することが一般的ですが、贈与の際に取り決めをしておくとより安心です。

不動産を生前贈与する際の手続きの流れ

不動産を生前贈与する際の手続きの流れを確認していきましょう。

不動産の生前贈与する際の手続き

①贈与契約書を作成する

不動産の生前贈与する際にはまず、不動産贈与契約書を作成するのが一般的です。

生前贈与は、口約束でも契約が成立します。しかし、口約束のみで契約をしてしまうと、トラブルにつながる恐れがあるため、生前贈与をする際にはまず、不動産贈与契約書を作成しましょう。不動産贈与契約書には最低限、いつ、誰が、誰に、どういう不動産を贈与するのかを記載する必要があります。

また、不動産を生前贈与する際には登記や登録免許税のなど、多くの費用が発生しますので、それらの費用については贈与する側と受ける側、どちらが負担するのかも明記しておいた方が無難です。

これらの贈与契約書を作成する際には、後にトラブルを発生させないためにも、2通作成して直筆で署名、実印で押印し、贈与する側とされる側それぞれで1通ずつ保管しておくと安心です。

②法務局で登記申請

不動産贈与契約書を作成し贈与契約を締結できたら、次に行うのは法務局にて不動産の名義変更の申請です。不動産の名義変更の申請は、贈与する不動産を管轄する法務局で行わなくてはなりません

法務局では、必要書類を用いて登記申請書を作成し、提出します。法務局で登記申請を行う際に必要な書類は下記の通りです。

  • 贈与する不動産の登記識別情報通知(権利証)
  • 贈与をする側の人の印鑑証明書(3ヶ月以内のものが必要となります)
  • 贈与を受ける側の人の住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 不動産贈与契約書
  • 登記申請書

※場合によっては上記以外にも必要な書類を求められる可能性もあるため、確認しましょう。

法務局での複雑な手続きですので、司法書士に依頼するとスムーズに登記ができます。

③贈与税の申告

不動産を生前贈与すると、贈与税が発生する場合があります。贈与税が発生する場合には、納税者がご自身で税金の計算をして税務署に申請し、納税します。

贈与税には申告期限があり、申告期間は贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日となっています。

相続時精算課税制度などを使用する場合は、ミスなく申告するために税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

ここでは、不動産を生前贈与する際のポイントを確認してきました。

不動産を生前贈与すると、相続時に発生しがちな争いを防止できたり、多額の財産を生前に贈与することにより将来かかるであろう相続税の節税効果が期待できます。不動産の生前贈与を上手に活用できると、円満な形で次の世代に財産を受け渡すことができます。

しかし、生前贈与をすると様々な税金が発生するため、かえって費用がかかってしまう場合もあります。ここで紹介した控除や制度などを上手に活用して節税を実現させましょう。

ご自身の状況における理想的な節税対策について、ご自身おひとりでは判断が難しい場合は一度専門家に相談してみるのも有効な手段といえるでしょう。

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