ここでは家族信託における受託者を複数人にする場合についてご説明いたします。
受託者は一人ではなく、複数にすることも可能です。
しかし、あまりに多い人数で管理することになると財産管理でトラブルになることも考えられるので、受託者を複数にする場合にはその信託契約の内容にもよりますが、2、3名ほどが妥当でしょう。
受託者には「善管注意義務」「忠実義務」といった重い責任がありますが、受託者を一人の人に任せたことによってあまりにいい加減な管理をしていたり、使い込んでしまったりなどといったリスクも無いとは言いきれません。
また、一人ではどう管理・処分したらよいか判断できない時にも、他の受託者と話合うことによって円滑に進めることも可能となる場合もあります。
受託者を複数人にすることで受託者である互いを監督・チェックしながら信託事務を行ったり、信託を一人だけの負担にせず、複数人で分け合うといったメリットがあります。
しかし、受託者が複数の場合には、各々の受託者は単独で使用収益することはできませんので、受託者の持ち分という概念がないため、受託者は全ての信託財産を合有する必要があります。
受託者を複数人に設定したり信託監督人を選定したり、どのように信託を設定すればいいのか難しい場合もあります。
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