相続は財産や人間関係が絡むため、トラブルが起こることも少なくありません。
また内容によっては複雑で手続きが煩雑になり、時間がかかってしまうこともあります。
今回は、意外とよくある遺産相続トラブルについてご紹介します。
よくある遺産相続トラブルとその解決法
戸籍収集で相続人が増えてしまった
相続の手続きには、どのような手続きでも必ず戸籍が必要です。
誰が相続人かを証明する資料となるためです。また、戸籍収集を進めていくと思わぬ事実が判明することがあります。
例えば、
- 前妻との間に子供がいた
- 被相続人に子供がいなかったため、兄弟相続になったが、兄弟姉妹が先に亡くなっていて、代襲相続人が10人以上いた
- 愛人との間に子供がいて認知していた
このようなことで話し合いが進まなかったり、当初予定していた遺産分割ができなくなり、トラブルに発展することがあります。
戸籍を集めなければ不動産の名義変更や預金解約などの相続手続きができませんし、あらゆる事態に備え、まずは専門家に相談することをおすすめします。
面識のない相続人がいる、相続人と連絡がとれない
面識がなかったり、連絡がとれなかったりする方がいても、相続人であれば遺産を受け取る権利があるため、遺産分割協議をしなければなりません。
遺産分割協議書を作成する際には相続人全員の印鑑登録証明書と署名と実印での捺印が必要です。
連絡手段はメールや電話などがありますが、分割方針に関わる部分は非常に大切ですので、手紙などの形に残るものにするとよいでしょう。
どうしても連絡がとれない場合には、手続きが進められなくなってしまうので、裁判所で遺産分割調停や遺産分割審判を行うことになります。
弊社ではお客様のお気持ちに寄り添った丁寧な手紙の作成や、遺産分割調停申し立てサポートも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
分割割合で折り合いがつかない
分割割合について法律で定められている目安として、「法定相続分」があります。
法定相続割合は相続人数やケースによって変わります。
話し合いをしていくなかで法定相続割合で分割が決まればよいですが、生前の被相続人との関係性や遺産の状況によっては折り合いがつかないこともあります。
相続人同士で対話ができないほど揉めてしまった場合には、弁護士をたてて弁護士間で話し合いをするのも1つの方法です。
それでも決まらない場合には、家庭裁判所で遺産分割調停を行い、家庭裁判所の決めた割合で分割することになります。
不動産が財産の多くを占めている
不動産の場合、お金とは違って分割が難しいものです。
不動産は1つしかない財産なのでお金のように細かく分割できないためです。
不動産の分割方法には1人が不動産をそのまま相続する他に以下の3つの方法があります。
- 代償分割:不動産を1人の相続人が取得し、他の相続人に法定相続割合に応じたお金(代償金)を支払う方法です。いくら支払うかは不動産の価値によって異なります。
- 換価分割:不動産の名義変更後に売却をし、売却金を相続人で分割する方法です。
- 共有:不動産を共有で持ち、複数人の名義を入れる方法です。
どの方法にもメリット・デメリットがあるので、どのように分割するかは話し合いの中で慎重に考えていきましょう。
借金がある
被相続人に借金があり、マイナスの財産の方が多くなってしまう時には相続放棄を検討しましょう。
相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に被相続人の最後の住所地の管轄の家庭裁判所に申し立てをします。
相続放棄をすると「はじめから相続人ではなかった」という扱いになるので、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継ぎません。
期限があるものですので、スムーズに手続きができるよう専門家に相談することをおすすめします。
生前中に想定できるトラブルと対策
ここでは生前に想定できるトラブルについていくつかご紹介します。
子供がおらず、兄弟相続の場合
兄弟相続のときに想定されるトラブルには以下のものが挙げられます。
- 遺産総額のうち不動産の占める割合が高い場合
先述した通り、不動産の分割はお金のように細かく分けられるものではないので、工夫が必要です。分割方法で揉めてしまうケースもあります。 - 親の介護の負担が兄弟間で偏っている場合
同居していたり、近くに住んでいたりする子供に介護の負担が集中してしまうケースです。介護をしてきた相続人はなるべく多く財産がほしいという主張になり、介護をしていない相続人からは親子なのだから親の面倒をみるのは当たり前だという主張になり、話がまとまらなくなってしまうことがあります。 - 親の財産が明確でないケース
兄弟の誰かが被相続人の財産の管理をしていて、財産を隠していたり、使い込みをしたりしていないか疑ってしまうケースです。
再婚していて前妻と後妻の両方間に子供がいる場合
前妻との子供でも法律上相続する権利があります。面識がないときや、前妻の子供には遺産を渡したくないというときに揉めてしまうことがあります。
上記のようなトラブルを防ぐための生前の対策として遺言書を作成することをおすすめします。
遺言書を作成しておけばこれらのトラブル発生の防止になりますし、自分の意思を残すことができるので安心です。
ただし、遺言書を作成する際には遺留分には注意しなければなりません。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に認められた、相続財産を少なくとも一定額相続できるという権利のことです。
遺留分を無視した遺言書を作成してしまうと、のちに財産を取得できなかった相続人から遺留分侵害請求をされてトラブルになってしまうケースもあります。
遺言書を作成する際には専門家に相談してみるとよいでしょう。
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